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英語を知的かつ想像豊かに使って創り出すよろこび

  • 英語文化コミュニケーション学科

扶瀬 幹生 教授

文学と電子メディア アイルランド文学 English Literature Irish Literature

竞彩篮球推荐のテーマ

デジタル?ストーリーテリング、プログラミング、英語文化のネットワーキング

竞彩篮球推荐テーマの内容、竞彩篮球推荐活動

アイルランドの作家、ジェイムス?ジョイスの作品『フィネガンズ?ウェイク』(Finnegans Wake, 1939)のテキスト生成過程竞彩篮球推荐(作家が文学テキストをどのように作っていったか、その過程を実証的に跡付ける)を続けています。
作品の内容を紹介すると、「かつて地上を闊歩する巨人がいたと想像してみてください。その体は、この世のあらゆる地域、あらゆる時代の人が使う言葉や、それらを通して語られる物語からできていた。しかしこの巨人はいまや地面に斃れ(たお)れ伏し、体もばらばらになってしまっている(世界は一体性を失い、人々の間に無理解、誤解、憎しみ、争いが絶えない)。私たちはいつかこの巨人の体を復原し、よみがえらせることができるのだろうか?」ということになりますが、これではどんな物語か全く分かりません。実はこの作品は、英語らしき言葉で書かれながら、普通に読むと英語を母国語とする人ですら何が書かれているのか分からないという、非常に難解な書物として有名です。

『フィネガンズ?ウェイク』が書かれている一つ一つの言葉や文章には、たくさんの意味が過剰に含まれています。だから、普通の読み方では読めない。普通に読もうとすると、必然的に注釈がいるわけですが、それがどんどん増産されて普通の注釈の機能を果たさなくなる。普通『読む』という行為は『分かる』ことを前提や目的にしていますが、意味が過剰にある書物は、分かれば分かるほど、気が付けば気が付くほど、普通には読めなくなり、分からなくなっていくのです。私はこの本の竞彩篮球推荐に電子メディアを活用して取り組んでいます。
IT革命が私たちに投げかける一つの重大な問いは、過剰に情報があることが実は普通のことではないのかということです。とくに意図したわけでもなく、『フィネガンズ?ウェイク』の竞彩篮球推荐をしていく上で自然に、次々と電子メディアを活用した竞彩篮球推荐方法を見出してきました。たとえば、文学作品の竞彩篮球推荐では珍しい「国際共同竞彩篮球推荐」を、私が作成したメーリングリストを介して世界の竞彩篮球推荐者と行っています。とにかく竞彩篮球推荐成果が次々に情報として出てきて膨大な量になるので、論文のような形式よりも、分かったことをパッと送信したほうが早いし、世界中の専門家からすぐフィードバックしてもらえて、竞彩篮球推荐が常時活性化されるのです。
そうした竞彩篮球推荐の醍醐味は、何か小さなことでも、たった一つのことでもはっきりと解明されたときに感じられる大きな喜びです。共同竞彩篮球推荐の仲間達は、そんなとき、手放しで無邪気に喜びを分かちあいます。

竞彩篮球推荐の最終目標は、収集した情報や解読内容を、電子アーカイヴという電子的情報の集合体にして、『フィネガンズ?ウェイク』を、今日的な新メディアの上に“巨人の体”としてよみがえらせることです。
IT革命がおこるはるか以前から、ジョイスの作品は“コンピューターの先取り”と言われてきました。実際、私たちがコンピューターを使えるようになって初めて普通のものとして見えてきた世界が、紙という非電子媒体しかない時代にすでに見えていたジョイスという人は、常識や通念、またそれを支えるオトナの利害関心に一切惑わされない、驚異的に純粋で無邪気な心と目、そして驚異的な知性を持っていたのだと思います。

竞彩篮球推荐テーマの意義?面白さ

授業でも電子メディアを使用しています。たとえば英語文化論「文学と電子メディア」の授業では、ここ数年、デジタル作品の創作を行っていますが、その内容は、学生が自分で創作した英語の詩をデジタルの動画に仕上げたり、3Dのソフトを使って、英語のドラマを作成させたりと、学生の主体性を尊重した創造活動が中心です。
英語を使えるようになりたいという人はたくさんいますが、英語はただ使うものではなく何かを創るもの、というのが私のポリシーです。実際、電子メディアを使うときは、学生が一生懸命になりますし、身に付きやすい方法だと思っています。紙に書いたものだと、こちらが添削して直してもらうという格好でどうしても受身になりますが、電子メディアで創作してもらうと、はるかに自分から自発的に気をつけてもらえるようになります。

また、いまの電子メディアは、昔のテレビやラジオと違って用途が一様に決まっていません。例えば一つの機器がワープロにもなるし、ラジオにもなる。皆が一律同じ方法で使う必要は全くなく、必要に応じて、工夫次第で自分なりの使い方が無限に広がる。だからこそ、夢や想像力を使って有意義に活用してほしいと思います。

日本の大学の英文科で英文学史というと、英語で書かれたイギリスの文学の歴史のことだと長い間思われてきましたが、実のところ英語を使うイギリス人の歴史はゲルマン民族の大移動以前には遡らないわけです。アイルランドを視野に入れれば、紀元前まで遡って、神話や伝説の宝庫であるケルト文化の話から始められます。実際欧米ではそうすることが普通になってきています。

学生時代に2年間、アイルランドに留学しました。起承転結のある公的なスピーチが敬われるのがアメリカ文化なら、個々人の語る、いつ終わるとも知れず際限なく続く私的な物語が尊重されるのがアイルランド文化です。おしゃべり、ということが悪いものではなく、自然に受け入れられる国なのです。アイルランドは長くイギリスの植民地でした。こうした歴史的背景がアイルランドの言葉の文化に影響しています。なぜなら母国語が事実上英語に塗り替えられ、自分でなく他者の築く世界を自分の世界として受け入れる事を何百年も強いられたわけですから。だからこそ、言葉を自由に使えるということが大事だ、という考えがある国なのです。ジョイスの作品も、そうした歴史を持った国の作家ならではというところがあると思います。

高校生や学生へのメッセージ
英語を知的かつ想像豊かに使って、創り出す喜びと出会ってください。

私が大事だと思うのは、全てをきちんとできなくてもいいけれど、何か小さな事でもいいから、一生懸命に自分自身で取り組むということです。例えば論文を書くにしても、文献や参考書にこう書いてあったからとか、先生がこう言っていたから書くということではなくて、自分で考えて自分で創り出してほしいと思います。どんなに不器用でも、上手にできなくても、大事なのはその結果や評価ではなく、どれだけ自分で苦労したかです。その苦労は生涯、色々思いがけない形で報われ、活かされるはずです。
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