学習目標 |
日本思想?文化において女性性がいかなるものとして受けとめられてきたかを考え、その近?現代における展開もあわせて検討する。 |
授業概要 |
「敗戦当夜、食事をする気力もなくなった男性は多くいた。しかし夕食をととのえない女性がいただろうか。他の日と同じく、女性は、食事をととのえた。」(鶴見俊輔) 近年の女性論は、近代社会において女性がいかに差別?搾取されてきたかを指摘してきたが、たとえば本居宣長が日本文化の本質には女性性(「たをやめぶり」)があると指摘していることからもわかるように、日本では、女性性なるものをひとびとが尊重し、そしてそれが社会?生活にとって欠かせない重要な意味?役割を担ってきた。 この講義では、『古事記』『日本書紀』から現代にいたるまでの、各時代の思想?文学?文化?芸能(近現代では、映画、歌謡曲、漫画等も)のさまざまな材料を使いながら、日本においてひとびとが尊重してきた女性性について、思想の問題として考えていきたいと思います。 |
テキスト |
特になし。毎回レジュメを配布する。 |
参考文献?課題図書 |
講義中に適宜指示する。 |
受講生への要望 |
古典を多く扱いますが、レジュメには現代語訳をつけますので、古典に苦手意識を持っている方もぜひ参加してください。 思想の問題は知識の問題ではありません。講義を聴いて心に引っかかったことを自分なりに考えてもらえればと思います。難しく考えずに、「いろいろな人の考え?意見を聴いてみる」といった気持ちで出席してください。 |
評価方法 |
期末試験(レジュメ?ノート等持ち込み可)が基本。ただし、講義を聴いて考えたこと、感じたことなどのミニレポートを講義時間内に書いてもらい(不定期に実施)、それを加点要素とする。 |